西尾ソフトテニス協会30周年記念実技講習会にて 平成15年2月15日(土) 会場:西尾市総合体育館

ソフトテニスが上手になるために・上手にさせるために

稲垣道夫氏の中高生に対するアドバイス

 前衛はポイントをとるのが仕事です。1試合に7〜10ポイントはあげたいですね。新ルールになって前衛の仕事がかわり、なかなかポイントをとるのがたいへんなのですが、次回のルール改正によってまたよくなるのだと思います。最低でも5ポイント、競った試合では10ポイントはやはりとりたいですね。
 前衛の仕事には、さりげなくとってしまう場合、存在感を示していく場合、前衛のねらって攻めてきたウィニングショットを体をはって止めに行く場合などがあります。
 相手の得意なプレーをおさえていくことが、相手より精神的に優位にたつと思います。相手はあせりますからね。
 私は世界選手権に5回出場したのですが、世界選手権は2年に一度ですから通算10年にわたって出場できたことになります。10年という長年にわたって、一線で活躍できたことは本当にうれしいことです。
 今、再び日本が世界のトップで活躍するには、スピードとパワーが必要だと思います。先日も総理大臣杯がありましたが、プレーを見ていて、やはりスピードとパワーが足りないと感じました。
 中高生のみなさんは、すぐにはなかなかそこまでいきつかないと思いますが、プレーの基本をしっかりと身につけながら頑張ってほしいと思います。



豊橋中央高校 奥田先生による講義 中高顧問、ジュニア指導者向け

「上手な選手の育て方」

 上手な選手の育て方があるわけではありません。私は、昭和48年豊橋女子高校(現豊橋中央高校)に入りました。赴任して30年です。私は、自分をテニスきちがいだと思ってますし、バカのひとつ覚えのようにやってきました。最初にインターハイに行ったのは、昭和52年のことです。その後、約10年間は下積みで苦労しました。2回目ようやくインターハイに行けたのは昭和61年でした。平成元年〜14年までは連続でインターハイに出場することができています。これまで出場させることができたのは32組64名だと思います。
 30年間でソフトテニス部の卒業生は150名くらいしかいません。団体戦も7回インターハイに出場しています。今年たまたま全国で3位になることができましたが、今年のチームは決して強いとは思いませんでした。逆に強いチームだと思われた年に、勝たせられなかったこともあり、そうした時ほど私の責任は重いと感じているんです。今年のインターハイ予選は、他校に比べて力なしと思われたんですが、予想外に楽勝になってしまったんです。

 指導者が技術だけを教えていこうというのは失敗してしまうことが多いと思います。私が豊橋女子に赴任した時には、十分コートが整備されていませんでした。そこで、まず環境をつくるということに専念したんです。コートも自分で掘り起こして直し、環境づくりをしたんですが、それだけではないんです。学校内でテニス部の活動に対する理解を得ること、同僚や上司に対してなんです。そうすれば、練習しやすい環境はできるわけです。

 私は1年365日のうち、休みは365分の4なんです。休みは12月30日〜1月2日の4日だけ。自分の家族の理解もないとできないんですよ。また、保護者の理解もないと練習を続けていくことはできません。地域からの理解も必要です。自分ひとりだけではできないものなんです。そうした意味でいろいろな環境づくりというのが必要になるんです。

 顧問は、選手に信頼されないと、選手はついてきてくれませんね。あとはどのレベルに目標設定をしてやっていくかにもよりますが、監督・指導者が思ってないといけないことは、どのような位置づけをしていくかなんだと思います。テニスで習ったことを学校生活や私生活で生かしてほしいんです。基本はテニス以外のところに力を注ぐわけで、@競技というテニスでいくのか、Aレクリエーションスポーツでいくのか(健康の維持増進、ストレス解消)などあると思いますが、この中間の教育的スポーツとしてテニスをとらえていくことが大切だと思っています。第一に人間教育に重点があり、第二に健康の維持増進、第三に勝負にこだわることだと思っています。

 時間に遅れるということには厳しくしています。マナーが悪いということに対しては、私はとてもうるさいんです。1秒でもたった1分でも遅れると甘くはありません。人に会ったらあいさつをするとか、テニスをして失敗した時などの態度などが大切な部分だと思っています。まずは技術よりもそちら(=マナー)にウェイトを置いているんです。こうしたことができない選手は、どれだけ技術を教えてもテニスの技術は身に付かないと思います。学校教育としての位置づけをして人間教育をしていくのです。テニスで飯を食っていくということ以前に大切なものがあるんです。

練習・技術指導について
 指導者としてよくわかっていなければならないことがあると思うんです。選手が試合の中でミスをしたとき「こんな簡単なボールをお前はミスって!」と思ったりすることがあると思われます。今日の練習では最初にロブロブ、あとにシュートシュート、その次に速いボールをロブとシュートで返すとやりましたが、テニスでゆるいボールを速いボールで返すのは難しいことなんですね。「こんな簡単なボールミスって!」とここで言う指導者はテニスをわかっていないと思っています。速いボールを速いボールで返すのは楽なんです。パンパン、パンパンといった打ち合いのプレーは意外に簡単なプレーなんですね。ボレーのポン、ポンの打ち合いは、何でもないことなんです。コースを考えたりボールの速さをかえているわけではありませんので、派手には見えるんですが、無意識にそうなっているだけなんです。指導者はこういうことをわかってないといけないですね。

 試合にいきる練習が大切だと思います。どんな方法の練習をとってもゲームにいきてくるのでありますが、数多く出てくるプレーをさせたいですね。選手にプレッシャーのない練習は試合にはいきないと思ってます。いくらプレーのパターンを変えたとしても、プレッシャーのない練習はいきないと思います。プレッシャーのある練習がいきるんです。しかし、どうやってプレッシャーをもたせるかは難しいコトですね。生徒の技量や性格が違うので一人一人に対する対し方は当然かわってきますね。
 私は土、日、祭日はほとんど学校に来ません。大会であるとか練習試合で外に出ていくんです。学校での地道な練習より、100倍いきるのが練習試合だと思ってます。でも、練習試合の相手を選ぶことが大切だと思います。自分のところより強いチームを相手に選ぶことですね。競るか、自分たちより少し強いチームがよいと思います。
 練習においても、自分より少し強い相手と乱打をしなさいと言ってます。
 
 練習試合や研修大会では、理想を求めてやるべきです。ボレーをしようと思ったボールがフレームに当たって決まったとします。公式試合では素晴らしいプレーと褒めたたえますが、練習試合ではそのプレーはだめなんです。きちんと面でとらえるボレーを理想としてさせるべきなんです。

 試合では、どれだけ選手に伸び伸びとやらせるかが大切だと考えます。プレッシャーを排除してやり、伸び伸びと試合をさせるために、監督はどっしりと構えていることが必要です。選手も監督の様子をよく見てますからね。平成13年度、インターハイ予選ではある学校が個人で1位から4位を独占したんです。うちは5位〜8位で、全部その学校に準々決勝で負けたんです。でも、個人ではすべて負けたのに団体ではその学校にAー0で勝ったんです。私が意表をついた番手投入をしたことによって、相手の監督さんの計算がくるったようなんです。相手の監督さんの頭が真っ白になってしまったようです。その監督さんの動揺がその学校の生徒に伝わってしまったのではないかと思っています。ですから、あらゆる場面を監督は想定しているべきだと思います。

基本練習はうちは下手なんです。コートにも恵まれているので、うちはゲーム練習を多くやっています。日本一をねらおうとすると、私も生徒も意識をかえねばなりませんね。基本練習ばかりではつまらないじゃないですか。ゲームの練習は楽しいものです。中学では場所や時間の制約があり、難しいかもしれませんが。

 生徒には個性や個人差があります。性格も一人一人違います。意識も違います。その子が産まれてから10何年かあって、親の養育態度、子どもの生育環境も違うわけです。最近は、甘えた子も多いですから、そうした社会的なことも考えていかないといけないでしょうね。豊橋中央高校は、ジュニア上がりの子が多くうまいですが、試合では負けます。そういうタイプの子に高校で指導を始めて、「こういうふうにするといいよ」と声かけをした時に、泣き出した子がいるんですよ。どうして泣いたかというと、その子は学校(中学校)の先生に声をかけられたことがなかったんですね。うまくて声をかけなくてもやれてしまいますからね。「あかの他人であった奥田先生から声をかけられて嬉しかった」と、その子は言ってました。その子は声をかけられることに飢えていたんだと思うんです。

 本校は、寮にまで入ってやりたい、やらせたいという本人と保護者の意識があります。しかし、意外に甘ちゃんはいるものなんですね。メンタル的な面が勝敗を分けます。だから、集中力を養うために、練習前にやるんですが、絵を一人一人に見せて、残像がどれだけ残るか時間を計ってるんです。その残像の残る時間が延びてくると「集中力がついてきたな」と言って、練習を始めています。 そして、環境を整え、練習量を増やしていく。こうすれば強くなると思います。

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